食品への異物混入防止対策 配管のパッキン編
- 2024.09.08
- 異物混入防止対策
ゴム(シリコン)のパッキン
食品工場では原料を混合した仕掛品を、成形機や充填機などまでパイプで送ることも多いと思います。しかしパイプとパイプを繋ぐために最初に付属しているパッキンは、ゴム(シリコン)のものであることがほとんどです。
ゴム(シリコン)のパッキンは時間と共に劣化し、特に内側の一部(下図のオレンジ部分)が欠けてしまいがちです。分解洗浄するときに気づくのですが、製品にいつ入ったか調べようがありません。製品を止めるにも躊躇してしまうような量の生産が終わった後に気づくので、どこから止めて良いものか途方に暮れることになります。
ゴムだったら軟質異物だから、食べてもケガをするわけじゃないから止めることもないかな。でも1個で済むのか、機械でバラバラになって複数の製品に混入しているのかわからないし、どうしたものか・・・
金属検出機で検出できるパッキン
鉄粉を練り込んだパッキンもあります。確かにパッキン1個がまるごと製品1個に混入していれば、金属検出機で止まるでしょう。
しかし丸々1個パッキンが無くなっていたとしても、それが製品1個に無傷で混入している可能性は低く、製造工程の機械を通る過程で粉々になり、複数の商品に混入している可能性の方が高いわけです。
粉々になったパッキンでもある程度の大きさを保っていれば金属検出機で検出できるでしょうが、細かくなったものは金属検出機が反応しません。反応しないからと言って、お客様が口にしたとき違和感を感じないと言うことはありません。
髪の毛1本が入っても違和感を感じるほど口は敏感です。金属そのものではない、金属検出機を通過してしまうサイズのパッキンの破片はそれなりのものであるはずです。複数のお客様からお申し出があった場合のリスクが頭をよぎることになるので、このパッキンを使う意味がありません。
欠けないパッキン
欠ける前提で選ぶ意味はありません。欠けないパッキンを選ばないといけません。
折れるけど割れない樹脂製(PTFE フッ素樹脂)のパッキンや、ステンレスのパッキンがあります。これらはゴムのように劣化しないので、初期投資はかかりますが交換のコストは考えなくても良いものです。長い目で見れば異物混入のリスクも低く、トータルのコストが抑えられるのではないでしょうか。
ゴム(シリコン)のパッキンを使っている食品工場の方はぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
異物混入防止対策の記事一覧
- ガラス編
- 絆創膏編
- 容器の開封編
- 機械の金属片編
- 工場持込禁止にすべき金属編
- 金属検出機の誤使用編
- 金属検出機の排除動作確認編
- 手袋編
- 保護シート編
- 木製品編
- ヒモ編
- テープ編
- 筆記具編
- 繊維編
- 容器の積み重ね編
- プラスチック、ゴム編
- その他
-
前の記事
フードセーフティージャパン2024 2024.09.07
-
次の記事
フードセーフティージャパン2024にて毛髪混入対策セミナーをしました 2024.10.11