品質保証とメタ認知

品質保証とメタ認知

「メタ認知」とは「己が何を知っていて、何を知らないのかを自分でわかっている」と言うことです。キャリコンを受検する時に覚えました。

品質保証のリーダー

品質保証畑を歩んで専門知識を備え、マネージメント能力もある人がリーダーになっている品証で働ける人は幸せでしょう。

品質保証部員は専門知識を持っています。その専門家を束ねるリーダーはやはりメタ認知が高い人でなければうまくいきません。しかし現実はなかなかうまくいっていない会社も多いように思います。

力量のあるリーダー

私も品証に配属されていた時、一時期外部からスカウトしてきた専門家がトップになっていたことがあります。バリバリの理系学者で、親の会社を継いで経営されていたこともある方でしたので、専門知識とマネージメント力を備えた人でした。

この人は工場に乗り込んでいって話をつけてきてくれるので、品証と工場のギャップがとても小さくなりました。幸運にも私はこういった時期を経験できました。しかし、このお方は厳しいので、よく呼び出されてはお説教を食らいました。

今だからこそ思えるよかったことは、「仮説を思いついたら、必ず確かめなさい。その辺の本に書いてあることは孫引きだったりして怪しい情報が通説になっていることも多い。本当にそうか自分で確かめて、そのデータを私に見せてくれ。」と言われ続けたことです。当時はうるさいこと言うなぁと思っていましたが、こういう思考ができるようになったのは役に立ったなぁと思います。

困ったリーダー

一方適正のない人が品証リーダーになってしまうパターンもあります。まるで眠りの小五郎のようなリーダーです。リーダーがぼんやりしていても、周りの品証部員という専門家がコナンのように仕事を回しているのですから・・・

専門知識はあるけどマネージメント能力が心許ない

多くの会社でよくあるパターンだと思います。品証はやはり叩かれることが多い部署なので人気が無いことが多いです。その仕事をやるとなるとサンドバッグになることもあります。受けが流すことができる性格じゃないと長く務まらないので、こういうタイプの人が自然と残って経験の長さから品証の長になるのでしょう。

タイプ9のリーダー

性格分類学のエニアグラムで言うとタイプ9の人が多いです。タイプ9の特徴はでーんと構えて動じない、敵を作らずいるだけでみんなから好かれるほんわかタイプです。ただこれが災いして、人を操作したくないから指示が苦手、全てが良いと思ってしまうので受容力はあるのに決断が苦手だったりします。そしてインプットは得意なのですがアウトプットが下手なので、もやっとしていて何がしたいかわからなかったり、訓練されていなければプレゼン力も低いです。

時間はいくらでもあるという感覚がありるのでとてものんびりしています。別に今やらなくてもいいや~と思っているので毎日先延ばしします。それでは仕事にならないので周りの人が気を遣って仕事を締め切りまでに片付けていることが多いです。本人も指示する行為が嫌なので非常に心地が良いことでしょう。指示することで拒否されたり、あの人の指示だからと言われて他とトラブルを抱えるよりは、やらないといけないことを意識して記憶から消す方が幸せなのです。

また、心にさざ波さえ立つことを嫌います。このため感覚を鈍磨させてやり過ごすことに慣れています。だからサンドバッグになってもわりあい平気でいられるのです。

転職の面接でいろんな企業の品証部長にお会いしましたが、かなりの確率でこのタイプの方がいらっしゃいました。

定年までの余生

他部署でバリバリ働いていて後任の部下にその地位を譲り、定年までゆっくり品証で過ごすパターンです。本人もヤル気が無くてうまく品証が機能しなくなったりします。逆にやる気はあるものの品証としては素人なので、プライドだけ高くてむちゃくちゃにすることもあります。

品証のリーダーは専門家をうまく動かして部署と会社全体をうまく回さないといけません。己が何を知っていて、何を知らないのかを自分でわかっているメタ認知が高い人でなければうまく回りません。

専門家の話に耳を傾けることができる人、自分がわからないことや疑問に思うことは専門家に意見を求めた上で判断できる人でなければ会社全体に損失をもたらします。経営者の方は品証リーダーを任命する時、この点を気にかけていただければ幸いです。

毛髪混入防止プログラムの販売

月刊食品工場長に掲載が決まった時、粘着ローラーがけの動画マニュアルを販売することを具申しました。しかし雑誌が発売されてもなしのつぶて。それってどういうことなのか詳しく話を聞かせてほしいとも言われませんでした。ただ自社HPに販売していることを載せれば良いだけで、在庫リスクもないし、経費もほとんどかからないし簡単なことなのに、と思っていたのですが下っ端の私にはどうにもすることができません。

やるともやらないとも返事がなく3ヶ月が過ぎました。「あれを買った企業から、効果が無いとか逆効果だったとかでクレームが来て、もし問題になったから困るから」と人づてに伝わってきました。3ヶ月も真剣に悩まれていたのでしょう。すぐに会社の顧問弁護士に相談し、DVDの衛生マニュアルを発売している会社の人にも過去の事例を教えてもらい、資料を作り提出しました。

しかしまたなしのつぶて。品証や製造経験者から見ればすごく画期的な教育プログラムと思うのですが、どちらも経験の無い人から見れば何の価値もないことなのでしょうから、どういうことか聞く気にもならないのは仕方の無いことです。メタ認知が高い人に話を持って行けなかったことが敗因です。その頃は「開拓者であれ」ってスローガン掲げて全社研修とかその人がやっていたんだけどなぁ~。

捨てる神あれば拾う神ありで、その会社を私が退職するときに相談した品証部長が一肌脱いでくれました。「それは任せとけ。こっちで俺が有償配布の流れを作る。」と言ってくれたおかげで、その会社だけのものに埋もれずにすみました。とてもありがたかったです。その後、経営者にも働きかけて広めていこうとしているとのことでした。さすがタイプ1。信念の人で、正しいと思ったら突き進んでいく行動力はすごいです。

と言うわけで気になっている人はこちらのページに動画マニュアルのサンプルがあるので問い合わせしてみてくださいね。