パッケージに印刷するバーコードの注意点
- 2024.09.06
- 品質保証
品質部門は食品表示法や景品表示法の知識も持っているため、一括表示の他にパッケージのデザインやコピーなどもチェックすることになっている会社が多いと思います。しかしパッケージに印刷されたJANコードまでチェックしているところは少ないと思います。
読めない色がある
店舗で仕込む商品のパッケージでやらかしたことがあります。製袋でしたが、2色刷で印刷しました。2色刷なのでJANコードも一括表示と同じ色になります。
一括表示は8ポイント以上の文字で、背景の色と対照的な色と決められているのでこのあたりは品質部門でチェックが入ります。しかし背景とコントラストがはっきりしている色であっても何色を使うかが問題なのです。
シリーズものなので統一されたデザインで、間違い防止で容易に識別できるように商品ごとに色を変えていました。新たに追加されたこの商品の印刷色は、他の商品に使用されていない「赤」で行くことになりました。
するとバーコードスキャナーで読めなかったのです。バーコードスキャナーの光源は赤なので、赤でJANコードを印刷すると白い部分も赤く照らされるので読み取れなくなってしまうのです。
フィルムに印刷する前に気づけば修正が効きましたが、時すでに遅しでした。
赤以外にも
コントラストがはっきりしていないと読み取れません。背景とJANコードの色が近い色だと肉眼では見えてもバーコードスキャナーでは読み取れない場合があります。
たとえば白ベタにグレーのJANコードだと読み取れなかったりします。注意しましょう。
加工指示を出す前に
色以外にもサイズや、JANコードと枠線との距離など、読み取りエラーにつながる要因は複数あります。全ての要因を頭に入れてチェックするのは結構難しいものです。
なので加工指示を出す前のパッケージのデザインやコピーなどのチェック段階でバーコードリーダーで読み込んでみることをお勧めします。JANコードのデータがなんであるかまで読み取る必要はありません。バーコードスキャナーが反応するかだけチェックできれば十分です。
センターシール
デザイン的に問題無くても、包装された商品のJANコードがレジで読み込みにくくなるパターンがこれです。
センターシールがJANコード側にかかってしまって、いちいちセンターシールを起こさないとレジで読めなくなることがあります。
特に幅に余裕がある商品ならなるべくセンターを余らせて、センター割れが起きにくくしたくなるのが製造担当者の気持ちです。その結果、開発時の想定ではJANコードにかからなかったのに、実際はJANコードが隠れてしまいます。
対処するならピロー包装機を開けて、センターシールが折れる方向を決めている部品を逆にすることです。
デザインの段階でJANコードの向きを決めておくのも有効な対策です。上図の方向にJANコードを配置しておけば、少々センターシールがかかったところでJANコードが読めなくなることはありません。
-
前の記事
セミナー「品質部門とバイヤーと営業」 2022.11.03
-
次の記事
フードセーフティージャパン2024 2024.09.07