品質保証部員におすすめの+αスキル

品質保証部員におすすめの+αスキル

品証は現状を改善していくのが仕事でもあります。現状の否定でもあるので、かかわった人は品証を嫌うことも多いです。その結果、協力が得られず、八方ふさがりになることもあります。

指摘と質問

指摘

「ここがダメです!」、「ここができていません!」というのが指摘です。流通や審査機関など外部監査では、あれこれ指摘があります。品証の仕事もそういうものだと思ってしまい、ついつい社内でも指摘をしがちです。

外部の監査に慣れてしまい、ついつい品証が製造に接するときもバンバン指摘をしてしまいます。「最初に良い部分を指摘してから、悪い部分を指摘すると相手も受け取りやすいですよ」というアドバイスもありますが、指摘はどこまで行っても指摘です。

中高生の頃、いろいろ指摘する細かい先生はあまり人気がなかったと思います。指摘する方も、「私はこんなことまで知っているんだぞ~」みたいな自慢から来る指摘や、とにかく何でも不安だから事態の大きさは予想するけど発生確率を無視して「こんなことやっていたら大変なことが起きる!」と騒いでいる指摘など個人的動機が元になった指摘も多いはずです。

指導(指示、助言)

そして指摘とセットになっているのが指導です。「この点が良くないので、このように変えてください」とやってしまいます。

「このやり方でやってください。」、「この指摘箇所を改善してください。」、「こういう風にやったらうまくいきますよ。」など指摘をちょっと柔らかくした感じです。指摘よりかは受け取りやすいかもしれませんね。

指摘 & 指導が招くもの

このように指摘&指導ばかりやっていると、製造現場の反発や思考停止を招き、なかなか効果的な改善が進まない状態に陥ることがあります。

不具合の原因はだいたいの場合、製造工程にあります。製造現場責任者や作業担当者が持っているたくさんの情報は品質向上に欠かせないものです。その膨大で細かな情報は品証担当者の想像を遙かに超えるもののはずです。

品証がこれをいかに引き出すかがポイントになってきます。指摘&指導でこれらを引き出すことはかなり難しいです。ですので質問を使って引き出すことをお勧めします。一見遠回りになりますが、トータルでは近道となるはずです。

質問

「このやり方をするようになった経緯は?」のように聞いていくのが質問です。人は質問をされるとその質問に答えようとし、答えを探しはじめます。答えを探そうとしている時、その人は自分の内側を探索しています。

品証は質問を通じてその人自身の内側に矢印を向ける支援をすることで、相手の答えを引き出していくスキルを付ければ、わりとうまくいきそうな気がします。

質問の例

  • このやり方をするようになった経緯は?
    • 前からずっとしているけど担当が変わり、なぜその方法でやっているのかわからなくなっていることもある。目的が分かれば、より簡単な方法に変えることが可能かも?
    • 作業効率最優先で選択されたやり方だとわかった場合、品質も重視できるやり方に変更するきっかけになることもある。
    • よくわからないので、科学的根拠を持つために検査してみようとなることもある。
    • 特に理由も無かったので、省いても問題ないことに気づくこともある。
  • (~を見て)どう思いましたか?
    • まじまじと観察したこともなかったので、現状の問題点を知って自主的に対策を立案することがある。
    • 製造が品証では気がつかない細かい点に気づいて改善に乗り出すことがある。
    • 品証的には問題だと思っていたが製造は問題と認識していなかった、と言うギャップに気づくことがある。
    • など

1発目の質問ですべて解決することは出来ません。最初は建前とか、誰かに言われたことなどが返ってくることが多く、熟考した答えは返ってきません。返ってきた答えを下地にして新たな質問を投げかけていくことで、深い部分に行き着きます。そういう所にヒントがあったりして、「そういうことがあるんだったら、品証としてはこういう協力ができますよ」と提案できたりします。ここまで来れたら勝手に良い方向に転がっていくので後は非常に楽です。

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