品質保証部員におすすめの+αスキル その3

品質保証部員におすすめの+αスキル その3

前の記事では「クレームを防ぐためにどんなことに気をつけているのかな?」「そこが気になるようになったのはどんなことがあったのかな?」「なぜその方法がいいって考えるようになったんだろう?」「どういう職場にしたいと思っているんだろう?」など相手に興味を持って話を聞いていると、自然と質問が出てくると言うことを書きました。

質問の作り方

繰り出す質問は自分の情報収集のためではなく、相手が気づきを得るものでなければなりません。と言っても「ほんならどないせえっちゅうねん!」と突っ込みたくなりますがこの(↓)あたりをちょっと意識するだけで、大分変わるはずです。

クローズドクエスチョンとオープンクエスチョン

クローズドクエスチョンとは選択肢から答えを選んでもらう質問です。はい/いいえで答えられる質問だけでなく、例えば「今日は何曜日ですか?」「AとBのどちらが良いと思っていますか?」などもクローズドクエスチョンです。相手が話しづらそうなときなどに使うと効果的です。しかし答えが限られてしまうため、その答えを元に深掘りすることは難しくなります。

オープンクエスチョンとは自由に答えてもらう質問です。相手に語ってもらうためには、クローズドクエスチョンよりオープンクエスチョンを意識的に多用していくようにしましょう。

質問を意識せず聞くことに集中する

意識して改まって話を聞いていると「どのような質問をすればいいか?」に意識が集中するあまり、相手の話が耳に入ってこなくなります。相手の話を上の空で聞いているので、話のどこを掘ったら良いのかがわからなくなってしまいます。

質問は短く、シンプルに

質問することを意識すると質問が長くなってしまう傾向にあります。さらにクローズドで返してしまいがちです。すると相手の答えは「はい」か「いいえ」になってしまい、そこから話が堀下げにくくなってしまいます。「私見」を説明することなく、シンプルに返すようにしましょう。相手が使った言葉をそのまま使うと作りやすいです。

  • □□□と言うことがあってどう思ったのですか?
  • ●●●ってどういうことですか?
  • どんなきっかけで×××が気になったのですか?

質問に私見は盛り込まない

  • □□□と言う点で●●●だとおっしゃっていましたが、×××ということが気になっているのですか?

このように私見(×××の部分) + クローズドクエスチョンの長い質問は良くありません。聞かれた方は「はい」か「いいえ」しか答えようがないので、次の質問が繰り出せなくなってしまいます。その結果、その話はそれ以上広がらず、「ふ~ん そうなんや」と話がまだ浅いところで終わってしまいます。

私見が入ってしまうのは、自分自身がニュートラルになれていないからです。主観(こうあるはずだ、こうあるべきだ)とか、決めつけ(相手はこう思っているはずという感情の先読み)、思い込み (一部を聞いて残りを想像で補い「なるほど」と言うセリフが出てしまう)などが働いていると私見が顔を出します。

相手の価値観は自分とは異なることが多いので、見当違いな私見を聞いていることも多いものです。もしくは想像で補って「これ以上相手の聞くまでもない」と全部わかったつもりになってしまい、それ以上話を聞こうとしなくなる場合もあります。

言いたくなったら相手の発した言葉を使って「□□□で●●●と感じたんですね。」と要約して、「その時どんなことを感じましたか?」「その時何を思ったんですか?」「それで次の瞬間どんな行動をされたんですか?」のように要約 + オープンクエスチョンで返すと、相手は続きを話しやすくなるので話の深掘りが出来ます。

間を恐れない

質問した後の沈黙が嫌で、矢継ぎ早に「AとかBとかそれともCとか・・・ どれですか?」「△△△と思ったんじゃないですか?」とクローズドクエスチョンを投げかけてしまわないようにしましょう。

相手が考える時間も必要です。1分くらいは間として、答えを待ちましょう。聞く側にとっては長くても、答える側からすると一生懸命どう答えようか考えてる時間はそれほど長いとは感じないものです。

一問一答

一回にする質問は一つにとどめましょう。一度に複数の質問をすると答えがぼやけてしまい、深掘りが難しくなります。

ダメな事例

  • ▲▲▲と◇◇◇についてどうお考えですか?
    • ▲▲▲については~で・・・と考えています。◇◇◇については~で・・・と考えています。

改善事例

  • ▲▲▲についてどうお考えですか?
    • ▲▲▲については~で・・・と考えています。
  • どんなきっかけで・・・と考えるようになったのですか?
    • 先月○○○と言うことがあって、もしかしたらと気になったのです。
  • 【深掘りのやりとりを続ける】
  • では◇◇◇についてどうお考えですか? ←▲▲▲を十分聞いてから問いかける
    • ◇◇◇については~で・・・と考えています。

なぜの言い換え

「なぜ?」、「どうして?」は発する側は何気なく使ってしまいがちですが、受け取った側はきつく聞こえることがあります。責められているように聞こえると、答えにくくなってしまいますので別の言葉に言い換えると良いでしょう。

いろんな言い換え方がありますが、まずは「いつから?」「どんなきっかけで?」の2つを覚えておけば大丈夫です。

ダメな事例

  • なぜそんなことしたのだ?
  • どうしてそうなったんだ?

改善事例

  • いつからそう思っていたのですか?
  • どんなきっかけでそう考えるようになったのですか?
  • なにがあなたにそうさせているのでしょうか?
  • そう感じた理由はどういったものでしょうか?
  • どんな事情があったのですか?
  • そうなった事をどう捉えていますか?

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