食品表示(原材料名表示)作成ソフト

食品表示(原材料名表示)作成ソフト

食品表示の作成は開発が行うことが多いでしょうが、開発が作った食品表示のダブルチェックは品証が行っていることと思います。表示作成や点検はある程度知識がないとできません。表示作成セミナーなどを受講し作り方を教えてもらうのですが、セミナーでは最も基本的なやり方を教えられることがほとんどです。紙の表にレシピを書き出して、規格書を見ながらそれぞれの原材料の変換名と割合を書き込み、電卓を叩いてそれぞれの%を出して・・・ と言うのを私もやりました。

食品表示検定

表示を作ったり点検するにはそれなりの知識が必要です。食品表示検定という資格が出来て、客観的に表示に対する能力を証明することが出来るようになりました。食品表示検定は品証だけでなく、開発や購買の人も取って欲しい資格です。

私の印象では上級より中級の方が難しかったように思います。上級は記述式なのに対し中級は選択肢なので引っ掛け問題が多いのと、自社製品以外の分野も勉強しないといけないので結構大変でした。

しかし中級のテキストは非常にうまくまとめられているので、今でも最新版を確認用に手元に置いて、表示を作る時に使っています。みなさんも頑張って合格を目指してください。

実際の表示作成は・・・

一括表示にはいろいろな項目がありますが、めんどくさいのは原材料名欄の内容作成です。何種類もの商品の表示を作らないといけない場合は、セミナーで教えられた紙の表に書いて、電卓で計算してという方法ではやってられません。表示作成のシステムが入っている会社はある程度機械的にできると思います。しかしシステムを入れるほどではないので、エクセルである程度のところまでちゃちゃっと作っている方が大半ではないでしょうか。

エクセルで原材料表示を作成

レシピを入れると原材料名とアレルゲンの表示ができるエクセルを作りました。単純に計算するだけの機能しかありません。原産地表示や原材料をまとめたり、遺伝子組換の情報などは手動で調整する必要があります。

原材料データベースの構築

まずは各原材料のデータベースを構築してください。エクセルなのでメンテがしやすいと思います。原材料の発注システムから品番と原材料名を引っ張ってくると便利でしょう。そのままエクセルのシートにコピペしてください。発注システムがない場合は適当に品番を振っていきます。その上で規格書の内容を入れていけば、データベースが完成します。

原材料の変換名は統一してください。たとえば文字種で言うと「調味料アミノ酸」と「調味料(アミノ酸)」は括弧が前者は全角で後者は半角なので、エクセルでは別物として扱われてしまいます。他にも表現の仕方で「酸化防止剤(ビタミンC)」と「酸化防止剤(V.C)」、「シクロデキストリン」と「環状オリゴ糖」では別物と扱われてしまいます。エクセルが変換名をまとめる時にバラバラに計算してしまうことになるので、特に新たに原材料を登録する時には注意してください。

原材料名欄を作る

レシピを貼り付けます。品番をコピペし、配合を入れていきます。あとはマクロのボタンを押せば計算してくれます。

常に原本のファイルを使って表示を作成します。作成途中で原材料データベースを更新したら原本ファイルを上書きした後、レシピごとに名前をつけて保存をしていけばいいかと思います。これもボタン1つでできるようにしています。

こちらからダウンロード

免責事項

もしバグを見つけてくださった場合は連絡いただけるとありがたいです。ファイルを更新します。

このページからダウンロードできるエクセルファイルは2020年12月時点での食品表示法を想定して作成しました。

このページからダウンロードされたファイルを利用した際に発生したあらゆる問題について、その予見可能性にかかわらず、当方では一切の責任を負いません。使用者の責任の上でご利用ください。(ウイルスも仕込んでいませんし、計算式も合っているはずなので多分大丈夫なはず・・・)

表示内容を間違えてしまって回収

表示の最終確認をしていたことがありますが、失敗してしまったことがあります。明太子を配合した商品の表示を作ったのですが、間違えてしまい回収になりました。商品は店頭から下げてもらって廃棄、印刷したフィルムの在庫も廃棄となってしまいました。私が確認を怠ったことで当時勤めていた会社に損害を出してしまいました。

簡略名間違い

その商品は明太子を配合した商品でした。明太子には「パプリカ色素」が使われていました。他にも着色料を使っていたので着色料でまとめることにしました。しかしここに落とし穴があったのです。

× 着色料(赤■、パプリカ)
 着色料(赤■、パプリカ色素)

「パプリカ」ではなく「カロチノイド」に変換しておけば「色素」を抜いても問題なかったのですが、単純にパプリカ色素から「色素」を抜いたために違反となってしまいました。食品添加物の簡略名は必ず確認しなければいけません。

簡略名は今では消費者庁のHPの「食品表示基準に係る通知・Q&Aについて > 別添 添加物関係」から簡単に確認できます。

ついでに言うとクチナシ色素も要注意です。黄色以外はカロチノイドに変換できません。こちらは気をつけていたのですが、パプリカ色素はノーマークでした。

ここを見てくださっているみなさまはこのような失敗をしないよう、私のことを反面教師にしてくださいませ。