食品工場で働いている人の作業服
- 2019.08.28
- 異物混入防止対策
作業服と言ってもたくさん種類があってどれにすれば良いのか悩むところです。しかしデザインの好き嫌いではなく、衛生的にどうなのかを選定基準にすべきです。現行の作業服が食品製造に適したものか、食品衛生を考慮したものか、次に更新するときにどのような作業服を選ぶべきか、参考にしていただければ幸いです。
作業服
食堂用の調理衣ではなく、食品工場用の作業服の中から選びましょう。クリーニング付きのリースが便利です。
素材はあまりツルツルしていると、粘着ローラーがかけにくいのと通気性が悪くなるので、作業のしやすさを考慮した素材を選びます。
食品製造の一般的な作業服
食品製造には向かない作業服の一例
帽子
企業によっては使い捨てのヘアネットだけかぶっているところもあるようです。しかし今の食品工場ではヘアネットをかぶり、その上から頭巾帽(フルフードキャップ)をかぶることが一般的です。
帽子は上の作業服の中に帽子の裾(ケープ)を入れます。うなじが見えるような帽子は20年以上前はどこの工場でも当たり前でしたが、今ではあまり見かけなくなりました。昔と違って、めがねのツルを指すための穴が開いていたり、マスクを引っかけるための耳かけが付いていたりします。
粘着ローラーを首にかけたときに、帽子の裾が出にくいもののほうが使いやすいと思います。
ヘアネット
ヘアネットは高価なものを選ぶ必要はなく、使い捨てのもので十分です。
上着
つなぎもありますが、トイレのことを考えると上下セパレートの作業服のほうが便利です。フードディフェンスの面からもポケットのないものを選びましょう。
襟
エリは特に必要ありません。エリの裏側まで粘着ローラーをかけないといけなくなるので、立ちエリタイプのほうが楽です。
上着の前
ボタンではなくファスナーのものを選びましょう。ボタン自体が異物になる危険性があるので日々の管理が大変です。また、ボタンとボタンの間に隙間ができるので、作業服の内側からの異物が製品に落下する危険性があります。
袖
半袖でも長袖でも、体毛を落とさないために袖口が絞られているものを選びましょう。クリーニングを繰り返すうちに緩んできたものは修繕するか、止血バンドを巻いて体毛の落下を防ぎます。
また、ラインや製品に袖が付着しないように、ダボッとしたやや振り袖状のものよりできるだけタイトな袖の方が良いと思います。
上着の裾
内側にインナーネットが付いているものを選びます。このインナーネットをズボンに入れて、体毛などの落下を防ぎます。インナーネットがない場合は上着の裾をズボンにインします。
ズボン
ベルトではなく、ゴムのものを選びます。ベルトのバックルなどがこすれて異物となることを防ぐためです。
また、ポケットが少ないものを選びます。ズボンの内側にロッカーキーを入れるポケットが付いているタイプや、手帳や筆記具を入れるために外側に1つだけポケットが付いたタイプを使っている食品工場もあります。フードディフェンスの観点から、複数のポケットが付いている作業服は一般的な食品工場では使用しません。
また、上着しか支給せずに下は私服のGパンという工場もありますが、微生物面からも、異物面からも、フードディフェンスの面からも感心できません。
ズボンの裾
体毛が床に落下しないように、袖口と同じように絞られているものを選びます。裾が絞られていない場合は、止血バンドやソックスバンドで絞ります。
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