食品への異物混入防止対策 木製品編
- 2019.09.25
- 異物混入防止対策
木や竹は割れたり、欠けたり、削れたりして異物となります。劣化すると更にその危険度が上がります。また、水がしみこむと微生物の巣になり製品を汚染します。製品に付属して出荷されるもの(団子やフランクフルトやアイスキャンデーの串、かまぼこ板、中華まん等の経木など)以外は工場に持ち込まないルールにしたほうが良いでしょう。
製品に属している木製品
かまぼこ板等工場内に木製品があると、これを使って機械の幅などを調整している工場も見受けられます。串がある工場では包装不良のラップを破るために、包装機の上に置いてあったりします。製品以外に本来の用途以外で使用しないよう社内ルールを整備しておく必要があります。
木パレット
ささくれも危険ですが、釘も異物になります。工場内で使用すべきではありません。業者が木パレに原料を載せて納入したとしても、搬入時に工場内用のパレットに移し替えてから工場に入れなければなりません。
調理器具
鍋、ヘラ(ゴムべら、パレットナイフなど)、ハケなどの柄が木製品のところもあります。劣化してきたら早めに交換が必要です。そして次回更新時に木、竹以外のものに変えましょう。
洗浄用具、清掃用具
柄などに木や竹が使われているものがあります。やむを得ず木製品を使わざるを得ないときは日々点検し、劣化してきたらすぐ新品に交換しましょう。新品に交換する際に、樹脂や金属製に変更したほうが安全です。
食品工場用の洗浄用具でメジャーなところのリンク
お箸
木製品、竹製品の調理器具は工場持ち込み禁止品にしていると思いますが、ときどき消費者からのお申し出があるのが箸先です。製品に混入していたとお持ちいただくのは竹の箸先で、滑り止めが付いているものが多いです。
念のため製造ラインに行って点検をし、工場内への持ち込みはないのか、使用している工程がないのか確認しますが、やはり工場内では見つかりません。そこで原料メーカーにも写真を送り調べてもらうのですが、そこでも製造工程での使用は確認できないという回答が来ます。そもそも竹の箸で手作業をしている食品工場は限られているでしょう。
調べた後はお申し出くださった消費者に連絡を取り、「お申し出品をお預かりして製造工程をお調べしました。しかし製造工程に於いて同様のものは現在のところ見つけられていません。引き続き調査をして参ります。」と調査結果を伝えます。「これだったんです!」とはっきり言えないところがもどかしく、そして申し訳ない気持ちでいっぱいになります。原因が見つかればすっきりとした回答を伝えられるのに、このような場合は非常につらい連絡を入れなければなりません。
そしてお伝えした後、消費者は納得されず後味の悪い結末となるパターンがほとんどです。その度、対応した客相や品証部員は無力感に打ちのめされてしまいます。しかし製造機械で付くと思われる傷もないし、複数(2件以上)のお申し出もなく、本当に原因がわからないので正直にありのままをお伝えする以外に方法がありません。
その一方でこういう方もいらっしゃるようで、本当に救われます。
歯の詰めものや、かぶせものでも同様の無力感を味わうことが多いです。ただお申し出があれば食品会社は毎回きっちりまじめに調査をしています。
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