食品への異物混入防止対策 容器の開封編

食品への異物混入防止対策 容器の開封編

原料は食品工場に容器に入って納品されます。中には貯水槽や食用油のタンク、サイロなどに敷設されたパイプラインやタンクローリーなどで運ばれてくる原料もありますが、大体の原料は工場内で容器を開けてから使うことになります。
しかしこの開封時に容器の破片が異物として製品に混入してしまうことがあります。

樹脂の袋

はさみで何度も刃を開閉してチョキチョキ切っていたり、ノッチがない袋を手で無理矢理力任せに引きちぎっていたり、束ねている口のほうを切ったりすると破片の混入が起きやすくなります。

はさみを使う場合はチョキチョキ動かさずにス~っと切るようにすることがポイントです。その前提として切れるはさみを使いましょう。切れ味が悪くなったはさみは速やかに新しいものと交換してください。

切り口は袋の端まで切り取ってしまわないようにし、一部がくっついた状態にします。そして開封後、切断面の形状が合うかを確認してください。一部欠けていてなくなっていれば破片を探し出します。はさみを使わず手で開けられる袋も同様です。

口がしばられている袋

口の方をはさみで切ると破片が出やすくなります。袋のお尻側を開封しましょう。

モールで口がしばられている袋

モール側で開封するならモールの数を管理しなければなりません。生産終了時に開封した袋の数と、モールの数を照合し、記録に残す必要があります。しかしこれは管理が大変なので、モールと反対側を開封するルールを取り決め、全員が守るようにした方が良いでしょう。

カットテープの紙袋

カットテープが異物になることがあります。カットテープを引いた後はすぐにゴミ箱に捨てるか、手に持ったまま離さないようにしましょう。どこかに一時置きすると、他の作業をしている間にカットテープの存在を忘れてしまい製品への混入原因になります。

また空になった紙袋に原料を入れて計量する時は、空袋の中に引いたカットテープが入っていることがあるので注意が必要です。

また計量時に粉体類計量用のボールを紙袋入れたままにし、そのまま粉とボールを機械に投入してしまったこともあります。紙袋は中が見えないので、よくよく注意しないと危険です。

最近は少なくなりましたが、糸を引いて口を開けるタイプの紙袋もあります。糸の切れ端が出やすいので、糸は使わずはさみで開封するようにしましょう。

内蓋

ボトルなどで内蓋がある容器に入ってくる原料もあります。使用後、内蓋をする作業者としない作業者がいると、内蓋がなくなっても気づくことが出来ません。

新品開封時に内蓋は必ず廃棄するよう取り決め、作業者に周知します。

また原料バイヤーは原料選定時に内蓋の有無をあらかじめ確認するようにし、内蓋がないものを優先的に選定しましょう。

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