食品への異物混入防止対策 絆創膏編
- 2019.09.02
- 異物混入防止対策
絆創膏と言えば、地域によって呼び方が変わってきますが皆様は何と呼んでますか? 食品工場では水を使いますので、気づかぬ間に絆創膏が剥がれて食品に混入してしまうことがあります。絆創膏の管理方法を決め、マニュアル化しておく必要があります。
目次
手指に傷がある作業者
なにより手指に傷を負わないことが理想です。しかし、手指はちょっとしたことでケガをしてしまいやすい部分でもあります。
粘膜や傷口には黄色ブドウ球菌がいます。手指に傷がある作業者は黄色ブドウ球菌汚染防止の観点から、回復するまで他の業務に就かせるのが理想です。しかしなかなか理想通りには行かないのが世の常です。
ケガをしたら絆創膏を貼ることが多いと思います。ほとんどの市販の絆創膏は肌色です。肌色や透明の絆創膏は目立たないので、作業場内で作業していてもその人が絆創膏をしているとは気づきにくいものです。
肌色の絆創膏
若い方は肌色と聞いてもピンと来ないかもしれません。「うすだいだい」や「ペールオレンジ」を昔は「肌色」と呼んでいました。
身だしなみチェック
市販の絆創膏は作業場内では使用禁止にしなければなりません。始業時は手指だけでなく服装や体調のチェックもするので、そのときに出勤している作業者全員の手指を点検し、絆創膏を付けていないかチェックしましょう。
会社指定の絆創膏
かといって絆創膏なしでは手指が痛いので、作業場内では会社指定の絆創膏を着用してもらいます。絆創膏は肌色や透明以外で、遠目から見てもわかる色にすれば良いでしょう。
青やピンクで綿の部分にアルミ箔が入っている食品工場向けの絆創膏もあります。
アスクルでも取扱いがあります
この絆創膏は食品に混入しても金属探知機で反応することが売りです。しかし綿の部分が入っていなければ金属探知機では検知できません。たとえば製造機械の中でちぎれてしまったテープの部分は検出できませんし、金属探知機で検出できないサイズに粉々になってしまえば検出できません。金属探知機に頼らずに管理できるようにしておく必要があります。
会社指定の絆創膏をどの作業者が着用しているか把握し、退勤時にも指定絆創膏が紛失していないことを確認しなければなりません。そしてこれらを記録に残すことが重要になってきます。
工程ごとに色分け
工程ごとに色分けしておくと、万が一お客様からお申し出があってもどこの工程で混入したかがわかります。もしくは作業者ごとに色分けしておくと、お申し出があったときに誰に渡した絆創膏かがわかります。こうすることで万が一製造中に絆創膏がなくなっても報告が上がってくる抑止効果が期待できます。
色つき絆創膏の例
ネットなどで探すと簡単に出てきます。作業終了時までなくなっていないことが確認できれば良いので、食品工も場向けのアルミ箔が入っている絆創膏でなくても十分管理できると思います。
とは言っても外部の監査で要求されるので、アルミ入りにせざるを得ない面もあるかと思います。しかし金属探知機に頼った管理だけでは不十分で、「作業終了時まで、支給した絆創膏がなくなっていないことを確認できている」ことが前提条件になります。
100円ショップにもあります。
会社指定の絆創膏をしてから手袋
会社指定の絆創膏をしている作業者にはその上に手袋を着用してもらいましょう。特に水を使う作業の場合は必須です。絆創膏が剥がれて食品に入る危険性もありますし、黄色ブドウ球菌の危険性もあります。
指サック
絆創膏と同様に指サックも混入異物となる事例もあります。指サックも工場には持ち込み禁止にしましょう。
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