食品への異物混入防止対策 ガラス編
- 2019.08.30
- 異物混入防止対策
工場に持ち込まれたりしているガラスはこのようなものがありそうです。
- ガラス瓶に入った原料(調味料、着色料、酒など)
- マジックインキ
- 時計
- 温度計
- 電灯
- 窓ガラス
- 鏡
設備としてガラスが使われている箇所もあるでしょう。そのような場合は割れた際にどうすべきか、例えば破片をすべて集めてすべてそろうか点検する、すぐに製造ラインを止めて割れた箇所から半径○m以内の原料、仕掛品、製品を破棄する、破損したら○日以内に修理するなど、あらかじめ取り決めておくと良いでしょう。
ガラス瓶
そもそもガラス瓶に入っていない同等の原料に切り替えるべきです。納品業者にガラス以外の容器に入ったものがないか聞いてみてください。何年も以前にその原料に決めて、そのまま何も言われないから毎回同じものを納入業者が持ってきているパターンが多いのではないでしょうか。
どうしてもガラス瓶しかない場合は、工場内に持ち込む際に別の容器に中身を移し替えてからラインに持ち込むようルールを取り決めます。
マジックインキ
インクをつぎ足しながら使っていると樹脂製に更新されていないため、ガラス製のものを使っていることがあります。ラインのすぐそばになくても緑十字を塗りつぶすために置いていたりします。ガラス以外のものに変更し、できればキャップ付きではなくノック式のものに変更しましょう。
時計
掛け時計はそれなりに高いところにかかっているので、落ちたら割れやすいです。防災フィルムを貼ったり、透明のOPPテープを貼っている工場が多いです。
標準温度計
製造工程のモニタリングに使う温度計にガラスの温度計を使用してはいけません。SATOの中心温度計などを設置し、使用しましょう。校正で標準温度計を工場内に持ち込まざるを得ないときは、細心の注意を払ってください。
標準温度計がもし破損してしまった場合の対処法もあらかじめ決めておきましょう。そして工場から引き上げた後にも標準温度計に破損がないことを確認してください。
電灯
最近はLEDに置き換えているところも多いですが、蛍光灯を使っている場合は飛散防止膜付きのものを使用します。蛍光灯表面に膜が貼ってあるので、蛍光灯が割れたとしても破片が出にくく扱いやすいです。
ただ、通常の照明以外も注意が必要です。例えば停電の時に灯る非常用白熱灯です。(※非常口の電灯のことではありません) 白熱球が使われていることが多く、点灯により発熱しガラスが割れたことがありました。
冷蔵庫内の非常用白熱灯
特に冷蔵庫内は注意が必要です。庫内は温度が低いにもかかわらず、非常用の白熱球が灯ると、電灯の周りは温かくなります。この温度差でガラス製の電球カバーが割れたことがあります。
停電
災害による停電の時は工場にも人がそれなりにいるので電灯が割れても気づきやすいでしょう。しかし工場メンテナンスのための計画的な停電の場合は、機械を動かせないので製造の人は工場に出てきていないのが普通です。
そして製造の人が出てくるのは停電から回復した後です。停電から回復しているので、非常用電球に明かりは灯っていません。よって非常用電球に意識が行くことは少なく、破損していたとしても気づくのが遅れてしまいます。しかも冷蔵庫内だと、ガラスの破片を氷と見間違えて気にとめないでいることもあります。
停電と言えば、加工乳の集団食中毒事件(昭和30年、平成12年)を想起される方も多いでしょうが、停電回復後に照明も点検されることもお勧めします。
窓ガラス
外と工場内を仕切るところはガラスを使用されているのが普通ですが、パーティションや屋内のドアなどにガラスが使われているところもあります。
防災フィルムを貼ったり、樹脂製に変更したり、割れる確率が低いので割れたときのルールだけで管理するなど、いろいろな対策が考えられます。設置場所なども考慮し、危害要因分析をしてその場にあった方法で対策してください。
鏡
工場入口や手洗い場には必ず設置されています。ガラスのものが多いですが、食品工場向けにアクリル製や金属製の鏡もあります。透明アクリル板の裏からスプレーをすると鏡になる「ミラー調スプレー」も売られています。
配送事故
追突事故に巻き込まれたトラックで配送されたため、ガラス片が混入したという異物混入事故もありました。
http://www.kyushoku.jp/topics/14511
容器が完全に覆われていれば異物混入の可能性は低いのですが、原料受入時にはトラックの荷台もチェック項目に加えた方が良いかもしれません。その原料を使うにしても、「荷台がちょっと・・・」という情報がれば、その後の対応を選ぶことができます。
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