食品衛生セミナーに登壇するようになったきっかけ

食品衛生セミナーに登壇するようになったきっかけ

2016年の人事異動

2016年10月に購買課 → 開発部 仕入商品室に異動になりました。仕入商品室では製造委託先のクレーム削減に取り組むミッションが課せられました。

当時、製造委託品のクレーム発生率は自社工場品の4~5倍ありました。凸凹はあるものの、ほぼ横ばいで毎年推移していました。品質保証部が行っていた製造委託先の衛生指導を、2016年10月から開発部のバイヤー部門が責任を持って行うよう組織変更があり、それに合わせての異動となりました。

部署毎のミッションを組み替えた結果、2016年度(10月~9月) → 2017年度では毛髪混入クレーム件数が1/5になり、クレームの件数も半減しました。2018年9月の人事評価は可もなく不可もなく「普通」という評価しかもらえませんでしたが、製造委託先にもクレームを減らせたことで喜んでもらえ、私自身も達成感を感じることができました。

毛髪混入対策と初めての取材

2016年に開発部に異動してきて、とりあえずワースト5の製造委託先から手をつけていくことにしました。それまでのデータを見てみると製造委託品クレームで多いのが毛髪混入クレームでした。(ワースト5の内、1工場だけはパック内の入数不足が多発しており、毛髪混入は発生していませんでした。)

このとき勤めていた会社は、9~2月の秋冬シーズンと、3~8月の春夏シーズンで商品が入れ替わる食品を取り扱っていました。寒い時期によく食べる食材を取り扱っていましたので、春夏シーズンに比べ、秋冬シーズンが発売アイテム数、販売パック数が多くなります。当然クレーム件数も秋冬シーズンに集中していました。

原因と対策の仮説を立て、製造委託先と取り組んでいきました。毛髪混入対策の仮説が本当に効果的か、2017年11月頃にはかなり自信を持つことができるくらいクレーム件数が激減していました。しかしまぐれなのか実力なのかを見極めるために、秋冬シーズンが終わるまで様子を見ることにしました。

秋冬シーズンが終わり、2018年3月に累積クレーム件数を前年と比較すると激減していました。特に毛髪混入が激減したことで、全体のクレーム件数を引き下げていました。「この毛髪混入対策は効果がある」とこのとき確信できました。

そこで月刊食品工場長編集部に「こんな毛髪混入対策をしたところ劇的な効果がありました」と情報提供したところ、ちょうど異物対策特集を組んでおられた幸運も重なり、その日のうちに取材申し込みをいただきました。

粘着ローラーがけ動画マニュアルの販売を会社に提案

月刊食品工場長の発売時期に合わせ、動画マニュアルのネット販売を会社に提案しました。自社のHPに毛髪対策のページを設け、動画マニュアルを有償でお分けできる旨を書いてはどうかと具申したのです。

「定款にあるのか確認するように」と上長である開発部長に言われ、顧問弁護士に確認しました。すると「テスト的にやる内は問題ない。本格的に事業として始めるときに変更しましょう。」との回答を得ました。

その先はマーケティング畑出身の経営管理部長の管轄でしたが、やるともやらないとも判断が下されず、そもそもこの件に関して聞き取りもされませんでした。開発部長からも再度聞いてもらいましたが判断は先送りされ、結局何も進みませんでした。

そのときの全社スローガンは稲盛京セラ名誉会長の言葉から取った「開拓者になれ」で、経営管理部長が全社員を前に訓示していたのになぁ・・・

ただ2019年3月に退職するときに、製造畑出身の品証部長が「これはわかっているようでもなかなか思いつかないことで、オリジナリティーあふれることだから世間にも知らしめるべきだ」と社内で調整を取ってくれて有償配布の道筋を付けてくれたので、埋もれずにすみました。

講習の売り込み

製造委託先と取り組んだ毛髪混入防止対策が「効果あり」とわかり、業界誌にも掲載されたので、「なんとかこの手法を毛髪混入で困っている食品メーカーの方にお伝えしたい。講師として話をする機会を与えてもらえないものだろうか。」との思いが日々募っていきました。

まずは食品関連の団体や工業技術センターなどをネットで検索したのですが、あまりお声がけできるところがありませんでした。

そういえば学校給食で異物がニュースになっていたことを思い出しました。もしかしたら給食の原料を納入している業者に対して、自治体が異物対策などの講習をやっているのではないかと思い、2018年5月から学校給食関係に問い合わせをし始めました。

学校給食調理員向けの講習

ネットで検索して20万人以上の自治体にメールで問い合わせをしました。20万人以上だと保健所が設置されているので、この毛髪混入防止対策の手法があわよくば保健所の耳に入らないかなぁと思ったからです。

ある自治体から電話が来て「毎年夏休みに調理員を集めて講習しています。予算があまりないのですがこちらまで来られますか?」と教えてもらいました。原料の納入業者ではなく、給食調理員を対象で講習を開くのが一般的だと初めてここで知りました。

学校給食のイメージって、自分が子供の頃のイメージのまま止まっていますので、たいした衛生管理はしていないだろうと思いこんでいました。しかし今の学校給食は私が子供時代を過ごした昭和の給食と違い、当然ながら食品衛生にかなり気を遣っています。その後、研修会で直接調理員の方々に触れることでこのことを始めて実感することとなりました。

自治体からの要請

どこの自治体からも回答は「すでに夏休みの講習の講師は決まっているので・・・」、「うちは保健所の人にやってもらうから、外部の講師は必要ないです」というようなものでした。ただ興味を示してくださるところもあり、「資料だけでも見てください」とお願いし、DVDに焼いて資料をお送りしました。

資料を見て検討してくださり、2018年の夏休みに呼んでくださった自治体が2つありました。夏休みは講師がすでに決まっていたので、冬休みの講習に呼んでくださった自治体もありました。

民間を呼ぶことはほとんどない自治体も多く、当時講演実績もない私を呼ぶことはかなりの冒険だったと思います。職場内で調整して、私に依頼を出してくださったのは本当に感謝です。

2019年は、昨年お話に伺った自治体の方が私のことを他の自治体にご紹介くださり、前職の会社に連絡をいただくようにもなりました。2018年に行った自治体での講演はすごく多くの調理員様が参加されていたので、とても緊張していたのですが、評価してくださったのはたいへんうれしくなりました。

プレスリリース

2018年前半は業界誌に載せてもらうことはできました。しかし業界誌を見て問い合わせは1件しか来ませんでした。

広く世間に認知されるためにも一般紙に取材される可能性はないものかと思い、プレスリリース講座に参加して指南を受けました。

いろいろエピソードを掘り出してもらっているうちに「そういえばこないだ学校給食の調理員さんの前でお話しさせていただいて・・・」と言うと、「それニュースになりますよ。すぐにプレスリリースしたほうがいいです。」と言われました。

すぐにプレスリリースを作って記者クラブに投げ込んだところ、朝日新聞様からまさかの取材申し込みがありました。ニュースになるとは思っていなかったので、このときは大変驚きました。

載ったのは地方版でしたがネットにも記事がアップされました。当日はアクセス数が朝日新聞デジタル掲載記事の50位以内に入ったそうで、全国版のちょっとした記事より多く読まれたそうです。

食品衛生のセミナーをお考えのみなさまへ

自治体の方、流通の方、食品商社の方、食品工場の方など、私に話す機会を与えようか検討してもいいかなと頭をかすめたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。時間が許す限り、どこへでもお話に伺います。