やってみたけど効果がなかった毛髪混入防止対策

やってみたけど効果がなかった毛髪混入防止対策

セミナーでは毛髪混入が激減したのを、さも最初から策があって最短の経路で成功に導いたように話をしています。しかし実際は試行錯誤の連続で、失敗を重ねながらも製造委託先のリーダーと協力し、あーでもないこーでもないとやっているうちになんか知らんけど減っていったのです。

後付けの理由

セミナーで話している毛髪混入防止対策は、複数の工場でやってみたところどこの工場でも毛髪混入が減ったので多分効果があると私は感じています。私だけでなく、実際に毛髪混入を激減させた製造委託先の方々もこの対策で効果あったと実感されていました。

ただし、セミナーでは効果があったと思われる理由を後付けで話をしています。だからちょっと様になっているように見えるかもしれません。

しかし実際に毛髪が食品の混入する瞬間や、その毛髪がどこから来たのかは確認できません。残念なことにこの後付けの理由が正しいかどうか、もしくは間違っているかどうかの証明ができません。

失敗だった毛髪混入対策

お客様から寄せられるお申し出で、やはり毛髪混入はダントツで多かったです。なんとか毛髪混入を減らしたいと思っていろいろ試してはみたものの、なかなか効果は出ませんでした。

ただ一つ一つ試して「この対策は効果がないんやな」とわかっていったことで、次の対策を考えることが出来たのではないかと思います。

作業中の粘着ローラー(コロコロ)がけで毛髪が取れている人のリストアップ

午前2回、午後2回、各職場の当番が粘着ローラーを持って、背中をローラーがけして回る決まりになっていました。そして当番が粘着ローラーがけして回った記録表がありました。その記録表には下記の項目を記入するようになっていました。

  • 実施日
  • 実施時刻
  • 当番のサイン
  • 何人に掛けたか
  • 粘着ローラーに付着した毛髪の本数
  • 毛髪が取れた作業者の名前

誰から毛髪が取れたか記録されているので、これの統計を取れば毛髪が減るのではないかと思いました。

職場ごとに件数をまとめてみると、特定の人に毛髪が付着していたことがわかりました。データを各職場に配布して指導をお願いしました。しかし何を指導するのかは各職場任せ。結局「おまえは毛髪に気を付けろ」と言う個人任せの精神論の一言指導で終わってしまい、効果が上がりませんでした。もっと細かく、原因を深掘りしないといけなかったのです。

ただ「毛髪が付いている人と付いていない人がいる」ということがわかったのは大きなヒントでした。

作業服のクリーニング回数公表

脱いだ時に毛髪を付着させた作業服を、また着用しているから毛髪混入が減らないのではないかと思いました。

クリーニング業者のデータを分析してみると、毎日交換している人もいれば、1週間ほぼ着っぱなしの人もいたり、クリーニング業者が作業服を全く回収していない人も存在することがわかりました。

この人達がちゃんとクリーニングに出せば毛髪混入が減ると思いました。2回以上/週クリーニングに出すというルールを一般衛生管理規程に盛り込みましたが、毛髪混入に対しての効果は感じられませんでした。

ただ、家に作業服を持ち帰って洗っている人もいたので、クリーニングの回数を公表することで微生物リスクは減らせたとは思います。

監視カメラの設置

エアシャワー前にウェブカメラを設置してもらいました。粘着ローラーがけが出来ていない人をチェックしようとしたのです。

設置した当初は物珍しさもあり見ていたのですが、そもそも録画を見ている暇はそうそうありません。

たまに時間を見つけて録画を見て要注意人物の部分を切り取っても、それが誰なのか特定できずあまり役に立ちませんでした。画質もそんなに良くないし、帽子とマスクをしていたら見分けが付きにくいのです。しかも上の方から取っているので更に誰だかわかりにくい。

スリッパの色などで特定できて各職場リーダーに切り取った動画を送っても、「気つけろよ~」という一言指導で終わりでしたのでなんの効果もありませんでした。

その他

私以外の人もいろいろアイデアを出して毛髪混入を減らそうとしていました。

更衣室の出口などにマットを増設、通路の床掃除の頻度を上げる、ルンバで更衣室などの床掃除をする、靴下も粘着ローラーがけする、上履きの裏も粘着ローラーがけする、「帽子をかぶる前にブラッシングするように」と言って全員にヘアブラシを配る、ウェブカメラの画像を誰もが見える場所でリアルタイムで流す、除電のれんをつける、毛髪混入が多いラインは電石帽の着用を義務づける、などなど

悲しいことに、どれも目に見えるほどの効果はありませんでした。クレーム報告書のネタとしてはありなんでしょうけどね・・・

毛髪混入防止対策の記事一覧

番号順に読んでいただければわかりやすいかも知れません。

  1. 食品への異物混入苦情件数
  2. 食品への毛髪混入と報告書
  3. 食品への一般的な毛髪混入防止対策
  4. 食品への更なる毛髪混入防止対策
  5. 食品への毛髪混入経路
  6. 食品への毛髪混入を防止するための粘着ローラー(コロコロ)
  7. 食品工場に於ける粘着ローラー(コロコロ)がけの重要度
  8. 食品工場に於ける正しい粘着ローラー(コロコロ)がけとは?
  9. 毛髪混入を防止する正しい粘着ローラーがけ(コロコロ)の手順
  10. 食品への毛髪混入対策の検証
  11. 食品への毛髪混入を防ぐ粘着ローラー(コロコロ)がけの教え方ポイント
  12. 食品工場での新人教育 毛髪混入対策編
  13. 二人で行う粘着ローラー(コロコロ)がけ
  14. 食品工場に設置すべき粘着ローラー(コロコロ)の本数は?
  15. 毛髪混入防止対策に効果的な粘着ローラー(コロコロ)の形状は?
  16. 食品工場入口で粘着ローラー(コロコロ)がけにかかる時間
  17. 粘着ローラー(コロコロ)がけの撮影方法
  18. その他
  19. 毛髪混入が前年比21%にまで減少した粘着ローラー(コロコロ)がけ動画マニュアル